旅情

2007年11月22日


こないだの日曜日の朝日新聞の1面に、東京発着の寝台列車が2009年までに全廃される

計画があるという記事が載ってた。

車両の老朽化や乗客数の激減などが原因とのこと。

JR数社の区間をまたがって長い距離を走るのだから、ダイヤを守るのも大変で、ちょうど

朝夕のラッシュ時間に、JR各社の地域のお客さんを輸送する身近な列車のダイヤを、自分の

会社の収益に殆ど貢献しない重厚長大な列車が乱すのは納得いかんというのもあるのだろう。

でも、個人的には旅情を楽しむ列車があってもいいのではないかと思う。

寝台列車に乗ると、その距離感がもろに時間に表れて楽しいし、車窓を眺めながらのんびり

旅を楽しみたいニーズだってあるだろう。

新幹線や飛行機に味気なさを感じる人も確実にいるはず。

でも、JRは民間企業なのだから、儲けてなんぼ、そんなことはいってられないという気持ちも

わかる。

それでも、昔懐かしき日本のよいところ、旅を楽しむということと、JR各社のつながりという

意味でも寝台列車は残して欲しい。

何故お客が減っているのかをよく分析して、増やすにはどうすればいいのかという方向から

考えて欲しい。「まず廃止ありき」で考えてはいないだろうか?

これだけ個人的な思い入れが深いのは、鹿児島を離れ、就職のため上京する際に当時西鹿児島

駅を始発駅としていた、上り寝台特急「はやぶさ」に乗車したからだと思う。

西鹿児島駅のホームに、母と妹が見送りに来てくれて、ドアが閉まり、独特の「ピーッ」という

甲高い汽笛が鳴り、列車がガクンとゆっくり動き出した時の、あの光景を思い出すと今でも

目頭があつくなる。

他にも、西村京太郎の小説の影響もあるだろう。

完全に一個人の感傷だけれど。そういう似たような思いをもっている人は他にもたくさんいる

はず。

本当に、存続のためになんとかならないだろうか・・・




そんなこともあって、昨日の長野出張から今日の北九州出張は、久しぶりに「はやぶさ」を

利用した。

あと何回乗れるのだろうかと思うと、悲しい気持ちで一杯だった。

残り少ない、数年後には「よき思い出」になるであろう寝台列車に、出来る限り乗りたいと

思う。





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Posted by Satsumabito at 00:34│Comments(0)好み
 
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